コラム「紙と生活」

このコラムでは毎回、日頃の生活で目にする紙の印刷物について取り上げます。
その紙が私たちのライフスタイルの中でどのような存在なのか、
また今後どのようになっていくのかをトレンドやデータを元に様々な視点で考察するコラムです。

各地で紙をテーマにしたイベントが行われています。そのようなイベントでは「紙」についての魅力を再確認できることがたくさんあります。
ハグルマ封筒広報部ではスタッフが参加したイベントについてのレポートを不定期でご紹介します。 今回は東京の代官山で行われた紙のイベント、「マガジンライブラリー」についてのレポートです。

紙で人がつながるイベント マガジンライブラリー

アート・デザイン系雑誌が世界各国から集まる雑誌の祭典


マガジンライブラリーは、ファッションやライフスタイル、インテリアといったアート系の雑誌・紙媒体を世界中から集める展示・紹介・販売イベントです。雑誌をはじめとした多彩なプリントカルチャーとの出会いの場として有名で、雑誌やジン(インディーズ誌)、製品や作品を通じて新しい交流が生まれています。企画・プロデュースは、アート・ディレクターの藤本やすし氏(CAP)とダヴィッド・グアリノ氏(A Zillion Ideas)。2009年の初開催以来、国内外でさまざまなイベントへの参加招待を受けて回を重ね、これまでに延べ5万人以上が来場したといいます。

第10回は代官山ヒルサイドテラスで開催

10回目を迎えた今年は5月3日〜13日の10日間、代官山ヒルサイドテラスで開催されました。会場内は1000タイトル以上のアート性の高いプリントメディアがずらり。出版社はもちろん、本や印刷物に関わる方、紙や文具にまつわる企業、紙や布を使った作品や映像のクリエイターが一堂に。ヨーロッパ、アメリカ、南米など、あらゆる国の雑誌を手に取って購入できる貴重な機会ということで、多くのアート・ファンや雑誌好き、紙モノ好きが集まっていました。


クリエイターによる作品展示は今回が初めての試み。個性的なクリエイターがそれぞれのブースで「紙」をテーマにした作品を展示販売していました。
ブースはイベント側で統一されたものだそうで、飾りけのない木枠がおしゃれでした。


個人的に注目したのはMamedori Labo. さんのブースです。
ご自身でデザインしたというラッピングペーパーやペーパーバッグ、カードなどが所狭しと並んでいます。


レトロな柄のデザインを得意とする彼女の作品は、懐かしさと新しさが混ざったような印象。ロウを溶かして紙にしみ込ませるワックスペーパーは、なんと一枚一枚手作りなのだそうです。
個性的なデザインはレトロな印刷物をヒントに作っているそうで、紙のぬくもりや温かさを感じ取ってもらえるようなイラストや作品作りを心がけているという言葉が印象的でした。
驚いたことに、商品のカードに合わせる封筒には、ハグルマ封筒の製品をご利用くださっているとのこと。とても嬉しく思いました。

その他のブースにも個性豊かな作品がたくさん。作品を実際に触りながら、クリエイターに直接話が聞けるのはこのイベントの魅力の一つだと実感しました。

「紙」というテーマで人が集うイベント

このイベントは参加者だけでなく、出展しているクリエイター同士の交流の場としても意義深いように感じました。出展者は自分の世界観とはまた違った作品を見ることで新しいアイディアも生まれるはずです。実際に出展された方々の話を聞いたところ、会期中にそれぞれの作品について語り合ったり、お互いの作品を購入したりして、仲間としての意識が高くなるそうです。この空間に集まる人たちみんなが、アートやデザインにはかかせない「紙」という共通のテーマを通して、自然とつながっていく。それが一番の魅力のようです。


ユニークなワークショップ

会期中には様々なワークショップが行われました。
スペシャルパートナーとして参加している出版会社、TOO MUCH MAGAZINEが主催する子ども向けのワークショップは中でもユニーク。
「80分間世界一周」をコンセプトに、床に描かれた大きな世界地図を歩きながら、日本から世界へ向けて旅に出ます。旅行者である子どもたちはワークショップ専用のパスポートを持ちながら、途中各国のアート、音楽やゲームなどを体験します。さらには、フレンチのシェフによる美味しいお菓子まで登場。参加費700円で世界の文化を垣間見ることができて、子どもたちにとっては素敵な経験になりそうですね。
五感で体験できるワークショップ、とても個性的だと感じました。

海外のクリエイターとの交流

イベントのフライヤーにあるイラストデザインを手がけたGOOD INC.代表兼デザイナーのLuis Mendo氏とお話する機会がありました。彼は独自の視点でまとめた手書きの主要都市ガイドマップを作成されています。常にお気に入りのノートを持ち歩き、気に入った風景の一コマを切りとってイラストを描くそうです。温かみのある細い線と柔らかい色彩で色付けされたイラストが印象的。

実際にそのノートを見せていただきました。カフェでお茶を飲む人、街中の自転車など、生活の中で見かける何気ない風景ですが、なんだかとても新鮮に映ります。お使いのノートやおすすめのペンなど、文具の話についても盛り上がりました。会場では彼の友人たちを紹介していただき、クリエイティブな方々との輪も広げることができました。こんなふうに、海外のクリエイターと直接、交流できるのも、このイベントの魅力の一つだと感じます。

イベントはかなり国際色が強く、ワークショップなどでも英語が飛び交うことが多かったようです。すでにロサンゼルスやベルリンなどでも開催されたそうですが、この国際色を活かしていくつかの都市との同時開催などにしても話題を呼ぶのではと感じました。


Luis氏のイラストを紹介するプレゼンテーションイベントにて

出版物など、展示物はどちらかというと西欧のアート系のものが多く、見る人それぞれの解釈で読み取ることができるものが多く興味深かったです。イベントは、一見敷居が高い印象ですが、いざ参加してみると私のようにクリエイターではない層も十分楽しむことができます。今回紹介されていない国の出版物も見られるようになるとさらに面白くなるかもしれません。一方で、ファッション雑誌や紙のクラフト雑誌など、もう少しとっつきやすいジャンルのコーナーがあると来場者の層も幅広くなりそうです。
これからも国内外問わずクリエイター同士が交流できるハブスペースとして、毎年話題のイベントになることでしょう。

ハグルマ封筒企画広報部 永田留美

ご協力いただいた企業:
マガジンライブラリー http://www.magazinelibrary.jp/
GOOD Inc. http://www.goodinc.nl/
Mamedori Labo. http://www.mamedori.com/

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