コラム「紙と生活」

このコラムでは毎回、日頃の生活で目にする紙の印刷物について取り上げます。
その紙が私たちのライフスタイルの中でどのような存在なのか、
また今後どのようになっていくのかをトレンドやデータを元に様々な視点で考察するコラムです。

夏の季節のご挨拶状、暑中・残暑見舞い。暑い時期にお世話になっている方へのご挨拶と健康を気遣うこの習慣は今なお残っています。しかしながら、年賀状と比べると発行枚数も少ないのが現状です。

今回は、この夏の季節のご挨拶状について、今の現状と動向など企業編・個人編と2回に分けて考えてみます。


自由な発想で楽しめる暑中・残暑見舞い

暑中・残暑見舞いは自分らしい言葉で…

6月1日から郵便局では暑中見舞い・残暑見舞い用のはがき(かもめ〜る)が発行されています。今年は初めての取り組みとして、被災された方々への支援等を目的とした「東日本大震災寄付金付きかもめ〜る」も発行されました。また、エコに配慮した「カーボンオフセット葉書(地球温暖化防止葉書)」も健在です。かもめ〜るの昨年の総発行枚数は約2億2,299万枚。今年は2億5,600万枚と、着実に枚数を増やしています。

しかしながらある調査によると、男女の約8割が「暑中見舞いを出さない」と回答。その理由として「毎年出していない」「面倒くさい」「文面を考えるのが大変」という声がありました。ではどのタイミングで、どんなふうに書けばいいのでしょうか。

暑中見舞いの時期は、二十四節気の小暑(7月7日)から立秋(8月8日)の前日まで。それ以降の白露(9月8日)の前日までが残暑見舞いになります。つまり、七夕から1か月間が暑中見舞いで、その後1か月が残暑見舞いと覚えましょう。この期間を踏まえ、「暑くなった」と感じたら暑中見舞いを、「立秋を過ぎたがまだまだ暑いなあ…」と思えば残暑見舞いを出せばいいのです。

その書き方ですが、暑中・残暑見舞いは親しい人に送ることが多いため、形式にとらわれることはありません。最後に日付を入れる必要もなく、締めくくりの言葉にもこだわりません。形式や内容に気を遣う年賀状に対して、自分らしい言葉で、気軽に一言書けるところがこのご挨拶状の良さでしょう。

「夏バテしそう」と暑中見舞いがきたら、「アイスの食べ過ぎには注意してね」と残暑見舞いで返事をしてもOK。気負わずコメントを返せるのも夏の便りならではですね。気軽に一言と言われても、何を書けばいいのかと困る人も多いでしょう。ならば「ご自愛ください」「体に気をつけて」と相手の健康を気遣う言葉を入れてみましょう。自分らしい言葉で書くのがポイントです。

暑中・残暑見舞い1

涼しげな素材で夏のお便りを

さて、夏になるとカルチャースクール等で、絵手紙講座が盛んに行われています。絵手紙は「実際の物を見て描く」といいますから、野菜や花・祭り・花火など、たくさんの風物詩でにぎわう夏は、絵手紙にうってつけの季節なのかもしれません。

それでは自分なりに、自由な発想で暑中見舞いを考えてみましょう。夏のファッションを思うと、さらさらのコットンや麻など見た目も涼しい素材が多いですよね。ならば暑中見舞いでも涼しさを追求!金魚や風鈴、朝顔などのイラストは、夏らしさとともに涼しさを感じさせ、暑中見舞いのハガキにピッタリです。受け取る相手の顔を思い浮かべながらハガキを選ぶ楽しさもあります。

あえてカードと封筒を合わせた「封書」として送ってみるのも新鮮です。さらに少し工夫して涼しさを印象づけたいなら、トレーシングペーパーの封筒を使ってみましょう。トレーシングペーパーの透明感は見た目にとても涼しげ。この透明な封筒で送る暑中見舞いは、中の透けた感じが涼しさを演出してくれます。例えば魚の形の紙片をぱらぱらと入れて、シルエットが見えるように送るのも素敵です。

ひと手間加えて、カードを手作りするのもいいですね。砂をのりで固定して、色紙でカニや貝殻を切り貼りすると、海辺の風景のでき上がり。スイカや船の形でカードを作って、夏の写真やメッセージを添えるのもおススメです。涼しげな封筒から、ほんのり透けて見える夏のカード。封筒の暑中見舞いは新鮮で、手にした瞬間から思わず笑顔になってしまいます。

暑中・残暑見舞い2
海のモチーフの紙片をぱらぱらと入れて

暑中見舞いの持つ可能性に注目しよう!

さて、暑中見舞いは相手をねぎらう気持ち・楽しさ・涼しさを届けるだけでなく、子ども達と学校の先生をつなぐ大事なツールでもあります。長い夏休み、担任の先生からの暑中見舞いは、「みんな元気に過ごしているだろうか」という思いにあふれたものです。と同時に、「どんな夏休みを過ごした話を聞きたい」「元気に登校してほしい」と、新学期に向けたメッセージが込められているといいます。

そうえいえば、こんな素敵な暑中見舞いのエピソードがありました。ある先生は、毎年、クラスの子ども達にこんな暑中見舞いの案内状を送っているそうです。

「先生の家に遊びにきてください。
○月○日、○時のバスに乗って終点で降ります。
バス停まで迎えに行きます」

初めての先生の家、誰が参加するのかも分かりません。子ども達はワクワクして出かけ、堀でザリガニを釣って、スイカ割りをして帰ったそうです。このような話を聞くと、単なる夏の挨拶状にとどまらない、暑中見舞いの可能性を感じませんか?

暑中見舞いは、相手とコミュニケーションを図れるだけでなく、気遣いや涼しさ、時にはサプライズを届けることもできるのです。

転職・転居・結婚などのお知らせを兼ねるのもいいでしょう。「うちわ」を暑中・残暑見舞いとして送ることもできますから、ちょっとしたプレセントにもなり得ます。自分らしさを出したいのなら、手作りしてもいいですね。こんなふうに自由な発想でお便りを出せば、暑い夏が、心豊かで楽しいものに変わってゆくのではないでしょうか。

ハグルマ封筒企画広報部編集

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