コラム「紙と生活」

このコラムでは毎回、日頃の生活で目にする紙の印刷物について取り上げます。
その紙が私たちのライフスタイルの中でどのような存在なのか、
また今後どのようになっていくのかをトレンドやデータを元に様々な視点で考察するコラムです。

前編では、お金と紙幣の歴史について書きました。中編では、最先端の技術が集まる、紙幣印刷の秘密について紹介します。

紙幣に隠された7つのスゴイ技術(中編)

日本銀行が正式に紙幣を発行したのは、1885年のことです。最初のお札は十円札でした。デザイナーはイタリア人のエドアルド・キヨッソーネ。彼は印刷屋の家系に生まれ育った版画家で、技術を日本人に伝えるために大隈重信が呼び寄せました。キヨッソーネは十円札の発行後も日本に永住し、紙幣や切手など500点余りを制作、亡くなるまで日本の印刷史に大きく尽力しました。余談ですが、教科書でおなじみの西郷清盛の肖像画もキヨッソーネの手によるものなんだとか。


10円札。商売繁盛を願い、大黒天が描かれている。

明治時代のお札にはすでに透かしの技術が施されていたといわれ、打ち出の小槌や巻物の絵が隠されていたという説もあります。当時から制作者を悩ませていたのは偽造対策のようですね。紙幣は長い歴史の中で何度も改良され、その都度、防犯性を高めていきました。

現在、日本のお札の印刷技術はトップレベルだと言われています。一枚の紙幣に隠された7つの秘密を簡単にご紹介します。お財布からお札を1枚とりだして、ひとつずつ確認してみませんか。



現在使われている1万円札は2004年に発行されたもの

@透かしバー

肖像画の右側に透かしバーがはいっています。
※一万円は3本、五千円は2本、千円は1本。

Aホログラム

ホログラムとは、金属箔にレーザー光線を使って模様を描いたもの。左下部の角度を変えると見える色や形が変化します。日本だけでなく、ユーロやUKポンドなどさまざまな国で用いられている技術です。

B深凹版印刷

通常よりも深い凹版を使用し、インキのでこぼこ感を表現しています。触るとざらつきがあるのがわかります。

C特殊発光インキ

紫外線を当てると蛍光に光る印刷が、紫外線発光インク。表面の印章部分が発光します。

Dパールインキ

角度を変えるとピンクに浮かびあがるパールインクと呼ばれるインキを使用しています。紙幣の左右端に確認することができます。

E超精密文字

肖像画や額面の文字は、細い線や点で描かれています。これはコピーでも再現不可能だそう。隠し文字もあります。ルーペで見ると「NIPPONGINKO」という文字が隠されているのが読み取れます。

F白黒すかし

紙幣の真ん中、丸い部分が透かし印刷になっています。紙の厚さを変えることで透かしを表現しています。

紙幣とは、生活から切っても切り離すことのできない、なにより身近な紙製品のひとつ。これを機に紙幣を観察してみると、デザインや印刷の奥深さに驚くはずです。愛着が湧いて金運アップにもつながるかもしれませんね。

ライター 峰 典子

参照:http://www.npb.go.jp/ja/intro/kihon/genzai.html

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