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【紙と加工の研究】をしています

第8回 明るい色合いのロウ引き封筒 モニター結果発表

ロウ引き加工をすることで明るい色合いが引き立った封筒のイメージに合わせたデザインを募集します。

■今回の企画内容

クラフト系の紙素材と相性のいいロウ引き加工ですが、明るい色合いを表現できないかと色々試してみたところ、みなさまに是非おすすめしたい組み合わせが見つかりました。
今回の企画では、まず実際に封筒を手に取っていただいてから、素材のイメージに合わせたデザインを提供していただけるモニターを募集します。

それでは、今回モニターになっていただいた5名の方の作品を紹介します。

■モニター西川様の作品

西川様からの感想

・今回のデザインのコンセプト

とてもきれいな封筒です。サンプルを手にした時、デザインはいらないな〜と思いました。(笑)
そうも言っていられないので、きれいな封筒のままに花を咲かせる事にしました。
ピンクの封筒はトーン感覚の刷り色を選び、ボカシやグラデーションのデザインパターンを施しました。
同じ刷り色のピンクがグリーンの封筒ではどの程度の色になるのか、くっきりとした大きめのパターンのベタ面やエッジは通常の紙と比べてどの程度違うんだろうかという思いでデザインしてみました。

・実際に作品をご覧いただいた感想

思っていた以上にしっかり色が出るのだと思いました。
グラデーションの階調や、ベタ面、エッジ、通常の紙とほとんど大差なくきれいに仕上がっていました。
もっとなじんでしまうかな〜と思っていましたので、現状の70%位、濃度を下げた方が良かったかな〜との思いもありますが、きれいなままの、あったかい、ちょっぴりレトロで素敵な封筒にしていただいてとても満足しています。

・今回の封筒の使い方

ほのかに透けて中身が見えるを生かしたいと思います。
さて何を中に入れて誰にこの封筒を手渡そうか、送ろうか、贈ろうか、楽しみです。

ロウ引き後の封筒はボカシの表現と透明感がマッチしています。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

ロウ引き加工をすることでグリーンが濃くなり、ピンクのインクに黄色味が入り淡いオレンジにも見えます。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

春らしいイメージの仕上がりで、楽しさが伝わってきます。

このたびはこの企画に賛同してご協力していただきましたHoo「ふぅー」の西川美有紀様、ありがとうございました。
Hoo「ふぅー」

■モニター埴淵様の作品

埴淵様からの感想

・今回のデザインのコンセプト

*クールだけどちょっとかわいい
*宛名ラベルや切手を貼ったときに引き立つ
*HoneyStyleらしいモノ
2色の封筒はお揃いのシリーズとして使えるように考えてデザインを決めました。

・実際に作品をご覧いただいた感想

たいへん満足しております。
狙いどおり、ピンクは甘すぎずグレーはシャープ過ぎずに仕上がっています!
裏面から半透明に中の紙が透けるところも上手く利用して、表情豊かな封筒でステキなお手紙が送れそうです!

・今回の封筒の使い方

わたしは、小さなペーパーアイテムブランド*HoneyStyle*を運営しております。先月よりお客さまへ月に1回、お手紙を郵送し始めました。
今回の封筒は「4月のお手紙」を送る際に使わせていただきます。
お客さまが届いた封筒をご覧になっただけで、しあわせな気持ちになるのでは?と今から楽しみです。本当にありがとうございました。

ロウ引き加工によって深みのある色になりましたが、連続するパターン柄によって明るい雰囲気が演出されています。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

ブラックの模様の隙間からのぞく淡いピンクが、透明感を強調させています。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

相反する色のピンクとグレーが反転したパターンによって統一感のある仕上がりになりました。

このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました*HoneyStyle*の埴淵加津子様、ありがとうございました。
*HoneyStyle*

■モニター成尾様の作品

成尾様からの感想

・今回のデザインのコンセプト
蝋引きにより透ける効果と防水効果を期待し、お客様に写真をお渡しする用の封筒としてデザインしました。
写真スタジオということを強調しないデザインを希望された為、スタジオの看板犬であるボストンテリアをメインに、シンプルに仕上げました。
封筒のフタの部分をフイルム風にすることで、さりげなく写真スタジオらしさを出しています。

・実際に作品をご覧いただいた感想
中の写真がうっすらと透けて見え、蝋引き加工による防水効果も期待できる、思い通りの写真用封筒に仕上がりました。
パーツごとにスミの濃度を少しずつ変えてデザインしましたが、蝋引きすると色が濃くなることを考慮し、もう少し濃度差をつけても良かったかなと思いました。

・今回の封筒の使い方
お客様にL判の写真をお渡しする用です。

ロウ引き加工で紙に透明感が出たことで、インクが浮き上がって見えます。

左:ロウ引き後
右:ロウ引き前

紙の色に深みが増したことで、アミ部分も加工前後で雰囲気が変わりました。

左:ロウ引き後
右:ロウ引き前

スミ1色の印刷ですが、紙の透明感に対して強調されたインクが立体感を生み出しています。

このたびはこの企画に賛同してご協力していただきましたデザイナーの成尾知美様、ありがとうございました。

■モニター佐村木様の作品

佐村木様からの感想

・今回のデザインのコンセプト

■グレー
クライアントの印象に残るような封筒
■グリーン
オリジナルイラストを使用した華やかな封筒。

・実際に作品をご覧いただいた感想

■封筒用紙
しっとりとしたロウ引き独特の手触り、そして厚みもあります。
パッと見ではあまり透けそうにない感じもするのですが、中身を入れると思いのほか見えます。
(グレーと比べると、グリーンの方が見えやすいようです。)
この透け感を使って、中に入れる用紙にも工夫できたら面白いのではないかと思いました。

■印刷
ベタの面積が広いところは、テカリ方にムラが出ているもののその他は細部まできれいに出ており、ロウ引きでない用紙とほとんど変わらない印象を受けました。
グリーンの方はK30%から試してみましたが、かすれ等もなくきちんと再現されています。

■デザイン
透け感を活かしつつ、請求書などの内容が透けてみえないようにする工夫を共存させられないか考えました。
封筒へのベタ面が大きすぎると、テカりムラが気になりそうなので最低限にとどめることにして中身の用紙へ印刷することで、目隠しすることにしました。
奥行き感も出ますし、仕掛けによってもっと面白いことができそうな気もします。

・今回の封筒の使い方

グレーは主にクライアント向けに使用。請求書やお知らせなどを郵送したいです。
グリーンは趣向の合うクライアントに加え、プライベートでも活用したいと思います。

ロウ引きという特殊な加工ですが、デザインによってビジネスにも通用する封筒になりました。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

濃度を変えた葉っぱの一枚ずつが、明るいグリーンを透かすことで多色刷りの様な仕上がりになっています。

左:ロウ引き前
右:ロウ引き後

フタベタ印刷で全体にまとまった印象を感じさせています。

模様の入った紙がはっきりと透けて見えます。

このたびはこの企画に賛同してご協力していただきましたSAMURAKI designの佐村木有加里様、ありがとうございました。

■モニターことり様の作品

ことり様からの感想

・今回のデザインのコンセプト

「うれしいお便り」がコンセプトです。
ロウ引き封筒ならではの中身が透ける特徴を活かすにはビジネスの書類を入れる封筒ではなく友だちへの手紙や個展のお知らせなど、楽しいことに使う封筒にするのが良いと思ったからです。
ロウ引きの紙にはシールがしっかりと貼れないという情報も目にしたので、住所枠をあらかじめデザインに取り入れました。
目隠しをかねた葉っぱのストライプ模様でかわいさを、住所枠の上にいるフクロウでちょっと知的な感じを出せていたらいいなと思います。すべてフリーハンドで描いています。

・実際に作品をご覧いただいた感想

ブルーの紙に刷っていただいた方はインクとの色の相性もあってか、しっとりと落ち着いた質感が感じられます。
ピンクの紙に刷っていただいた方は紙色が明るいため、印刷した線がよりはっきりと明瞭ですこし浮かんで見えるような感じです。同じ印刷物でも、ピンクのほうがより透けて見えるので何が届いたんだろう?というワクワク感がありそうです。
ロウ引き前の封筒も一緒にお送りいただきましたが、同じ紙でもこんなに雰囲気が変わるなんて!と驚きました。
また「ロウ引き」が食を連想させるのか、美味しいものを扱うお店や業種に似合いそうです。
茶色のロウ引き紙ではないところもうまく利用したいですね。
宛先を書いてみると、油性ペンがベスト。にじまずはっきりかけます。封緘は両面テープ+マスキングorセロハンテープで対応するのが良さそうです。
強度はしっかりしていますし多少の水濡れにも強そうなことは嬉しいですね。

・今回の封筒の使い方

「友達への手紙を送るときに」「DMなどを同封して」「個展のお知らせに」「小さな雑貨などを送るときに」利用したいと思います。

印刷色は群青をお選びいただきました。ロウ引き前と比べると少し濃くなっています。

左:ロウ引き後
右:ロウ引き前

下地のピンクの影響で紫がかった仕上がりになりました。

左:ロウ引き後
右:ロウ引き前

同じデザインと刷り色で作成しましたが、仕上がった封筒はそれぞれ違った表情をしています。

封筒に入れたカードの柄もはっきりと浮かんで見えます。

ことり様から新しい使い方もご提案いただきました。
「使用後に封筒の上半分を切るとストライプ柄の平袋になります。珍しい封筒で捨てるのがもったいないと思われたらこんなふうに使っていただけると嬉しいです。」

このたびはこの企画に賛同してご協力していただきましたイラストレーターのことり寧子様、ありがとうございました。
neuneu





・総評・


今回使用したのはエコフレンドリーカラーの4色でしたが、もともと柔らかな質感で鮮やかな色目の封筒がカラートレーシングの様に生まれ変わり、さらにモニターのみなさまからいただいたデザインによってそれぞれが違った表情を見せてくれました。
「アンティーク」や「高級感」「重厚感」などのイメージが強いロウ引き加工で、今までとは違った「明るさ」や「楽しさ」をイメージさせてくれる作品が揃ったことで、この加工の新たな一面を発見することができました。