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技術の発展とともにある本の歴史(世界編)

2017/11/30

  • 本の歴史

電子書籍の誕生とともに、近年、紙の本についてさまざまな議論がされるようになりました。
ここで改めて、紙の本がどのような経緯を経てきたのか、装丁やデザイン的な面にも注目しながら追いかけていきたいと思います。

技術の発展とともにある本の歴史(世界編)

<1世紀前後>「本」の形の誕生
粘土や石に刻まれていたテキストは、やがてパピルスの巻物に記されるようになりました。
そして、この時代に動物の皮を加工する羊皮紙が作られたことで、紙を折り重ねて綴じる現在の本の形態ができあがったのです。
本文は、印刷技術が発明されるまで、写字生と呼ばれる人たちが全て手で書き写していました。
彼らは作業に入る前、本文のレイアウトを綿密に考え、行間や文字の大きさが一定にそろうようにするなど読みやすさへの工夫を取り入れています。
表紙には木が用いられ、湿気を帯びた羊皮紙が波打ってしまうのを防ぐという役割とともに、貴重な本を象牙や宝石で飾り装飾を楽しむという一面もこの頃から持ちあわせていました。

<12〜16世紀頃>書き写しから活版印刷へ
中国で発明された紙がヨーロッパに伝わるのは11〜12世紀頃になりますが、この時代の紙は街でボロ布が集められ、それを原料に作られました。
この製紙法により紙のコストは下がり、製造スピードが上がります。
1440年代グーテンベルクが活版印刷を発明すると、この印刷術はまたたく間に広がり、1480年頃には110以上のヨーロッパの都市に印刷工房が出来上がったそうです。
こうした印刷術と製紙法の躍進により本の生産性は向上しましたが、それでも本は高価かつ貴重なものであり富裕層の持ち物でした。
この時代は印刷されたものを製本屋に持ち込み、好みに合わせて製本するという仕立て方が一般的で、時代を経るに従って、革に細かな模様の箔押しを施すなどした豪華な装丁本が職人たちの手によって作られていきます。

<19世紀頃>産業革命による各種技術の飛躍
産業革命ではさまざまな技術が進歩しましたが、印刷、製紙、製本など本作りに関わる技術もその例に漏れません。
まず、1800年頃に鉄製の印刷機が登場し、印刷速度が向上。
パルプを用いた製紙法も確立されます。
こうして本が何万部と刷られるようになってくると、製本の分野では、本文と表紙を別々に完成させ、中身を表紙でくるむように仕立てる「くるみ製本」という現在主流になっている製本法も誕生して、ようやく本は現在のように「同一の書物に同一の製本が施される」ようになりました。
また、表紙の素材も革からクロス(布)へと移ることで、本の価格がさがり、徐々に本が一般市民にも読まれるようになります。

技術の発展とともにある本の歴史(世界編)

<20世紀>大量生産、大量消費の時代
19世紀に識字率が上がり、産業が発展して本の部数も伸びたとはいえ、本当の意味で本が多くの人々の手に取られるようになったのは、ペーパーバックの誕生が発端です。
1935年、イギリスのペンギン・ブックスが布製の本よりも薄手で軽く、良質な内容で、かつ低価格の書籍の販売を始めました。
デザインを統一した表紙に、人目を引くタイポグラフィーを用いたこの本は、ニューススタンドやドラッグストアなどで気軽に買えたことなどから、購入に拍車がかかり、1950年代には爆発的な売れ行きを見せます。
このできごとは「ペーパーバック革命」と呼ばれるようになり、後年、ベストセラーという概念やミリオンセラーという現象を生み出すきっかけとなったのです。

技術の発展とともにある本の歴史(世界編)

今回は、世界という大きな視点から本の変遷を見ていきましたが、後編は日本国内の本にまつわる移り変わりをご紹介したいと思います。

文・松本みずほ

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参考書籍:
「本の歴史」 創元社
「文字と書物」 同朋舎出版
「印刷博物誌」 凸版印刷

関連記事 時代とともに形を変える本の歴史(日本編・後編) >

 

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