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【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン

2022/09/13

北海道・帯広で社寺建築を手掛けている株式会社おかげさま。代表である宮大工の菅原雅重さんは、伊勢神宮の式年遷宮において、6年間副棟梁として参加した後に「社寺を身近な人たちのための祈りの場としてもっと開かれた場所にしたい」という思いを胸に、故郷帯広に戻りおかげさまを立ち上げました。「建物を造るだけでなく、その空間を創ることも大切な仕事」と話す菅原さんと、CIからWEB、名刺、封筒にいたるまでトータルでデザインを手掛けたデザイナー・佐藤史恵さんに、おかげさまを通して思い描く世界と社会との繋がりについてお話しを伺いました。

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン

おかげさまが本殿や拝殿千木の改修を手掛けた帯廣神社 ※写真=我妻直樹(SWITCH)

かつて神社やお寺は、今よりずっと身近な存在ではなかったでしょうか。境内は子供たちの遊び場になり、保育園や幼稚園が併設されているケースも多く、祈りの場としてもっと日常の中に存在していたように思います。宮大工として、何百年と続く建物の保存・修復を手掛けるだけでなく、人々と社寺を繋ぐ空間や体験も作り出している菅原さんは、まさにそんな風景を取り戻そうとしています。社寺建築にとどまらないモノづくりを続けるおかげさまの社会や環境との関わり方とは……。

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン

街中の喫茶店などを借りて開催している『僧侶Cafeとかち』は、お坊さんと気軽に話せる貴重な機会


社寺建築にとどまらない、おかげさまのモノづくりと場づくり
株式会社おかげさま様 代表 菅原雅重様
「宮大工や社寺建築の仕事はなかなか知られていないと思いますが、主なクライアントは地元の神社やお寺で、直接お問合せいただくことが多いです。要望をお聞かせ頂き、⾃分で図⾯を描き、⾒積もりをとり、加⼯……といった感じで、おかげさまではすべて⾃分たちで行っています。最近では、地域の⼩さなお社(おやしろ)の新築の依頼なども増えてきました」

「また、建築の仕事だけでなく、おいしいコーヒーを飲みながら僧侶の方とお話しする『僧侶Cafeとかち』や、神社について学ぶ初心者向けの勉強会『杜小舎(もりこや)』も僧侶や神職の方々と主催させていただいています。どちらも“神社やお寺、宗教をもっと身近に感じる場を作りたい”と思い立ち上げたものです。
おかげさまの事業を通して、また、宮⼤⼯として、社会にどういった関わり⽅が出来るのか? ということは、今も毎⽇考え続けています。何かモノを作る仕事は、作ることに集中するあまり作り⽅(形)を⼀番に考えがちです。作るモノが何か? を深く掘り下げる作業を並⾏して⾏うことを忘れてはいけないと強く感じています」

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン

写真=我妻直樹(SWITCH)

伊勢神宮の式年遷宮で行われている、環境に優しい取り組み
「伊勢神宮で行われた式年遷宮で、私は6年間副棟梁を務めさせていただいたのですが、実は、伊勢神宮では、遷宮が⾏われた後の旧社殿の部材を全国の神社に譲渡しているんです。震災等で被害をうけた神社に特に多く譲渡されていて、建物の修復や復興に利⽤されています。
基本的に我々宮⼤⼯は、修繕を頼まれて現場にいくと『まず、材がどれぐらい使えるか?』を考えます。それはなぜかというと、⽊材は古ければ古いほど良いからです。単に歴史が感じられるということではなく、古い⽊材は狂いが少なく落ち着いているし、現在よりも良い丸太から⽊材が作られていることが多く、素材として優れています。ただ、使う際には相応の技術が必要となります」

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン

写真=我妻直樹(SWITCH)

次世代へ伝えたい「技術」
我々大工が日々向かい合っている木材は、すべて丸太から製材されたものです。木には一つとして同じものはありません。 太くて大きく、節がなくて、まっすぐな木は、扱い易く使い勝手が良いため重宝されます。一方、細い、節がある、曲がっている木は扱いが難しく価値が低いと考えている人が多くいます。けれど、それもまた特徴ある個性の一つです。 曲がっている木には、曲がっている木にしかできない役割があり、普通の人には見えない価値を我々つくり手がその木から見出すことが「技」と言えるのではないか、と考えています。

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おかげさまが設計から関わり施工を行った北海道遠軽町の森の中にあるビジターセンター。子供達のつどう場所づくりを進めている

社会の中で伝統に向き合い、変化に向き合っていく
「今年から少しずつ社寺以外の建築にもチャレンジしています。現在、⽯窯で焼くパン屋さんのフリースペースを持った住宅の計画を進めていますが、ここでは古い⽜舎の記憶を残すべく解体した古材を利⽤したり、⼩⻨を利⽤して壁を作ったり、いろいろと模索しているところです。⼀般住宅では、⼭にまず⽊を切りに⾏くところから始めています。そうすることで、お客様には木材が森からやってくる事を強く意識してもらう事ができます。
お寺や神社については、いつかは全体の計画から深く関わっていきたいですね。昔の⾔葉で言うと『伽藍配置(がらんはいち)』です。⽇本に古くからある『伽藍配置』は中国から⼊ってきたものが根本にありますが、現代の⽇本における『伽藍配置』を模索していきたいです。現代では納⾻堂など、当初は存在しなかった建築物が重要になってきていますが、そういった社会の変化や要求にどれだけ真剣に向き合うかが重要であり、そこに宮⼤⼯としての本質があるように思います」

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写真=我妻直樹(SWITCH)

「伝統という⾔葉の意味を調べると『⻑い歴史を通じて培い伝えてきた習慣・様式・制度などの事』とあります。そして最も重要なのは『それらを⽀える中⼼的な精神のあり⽅』と締めくくられています。『常に変化するモノを伝統と⾔う。変化の無いモノは現状維持でも無い。それは後退である』というのは、たしか倉本聰氏の言葉です。⾃分が社会の⼀員である事を忘れずに、⼩さな事でも社会に実際に貢献し、具体的に⾏動したいと考えています」

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン


デザインについて
おかげさまのプロダクトに込めた思いと、100年後も古びないデザイン
デザイナー・佐藤史恵(SA+O)様

「社名である『おかげさま』は、感謝の心を表す言葉として使われていますが、古くから“かげ(陰)”は神仏などの偉大なものの陰で、その庇護を受ける意味として使われているなど、多様な由来を持っています。『陰と陽』つまり『光があるところには影ができる』という意味合いもあるそうです。
社名にそういった意味を込めた菅原さんの想いをロゴマークで表現したいと思い、太陽と海に映る光もしくは影のようなビジュアルを考えました。おかげさまを英字で『Okagesama』にした時に、金色の円「O」は輝く朝日や夕日あるいは月に見立て、その下の『kagesama』は海面に映る太陽の光や月の光、もしくは影のようなものをイメージしています」

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン


「名刺をデザインする際もそのロゴを中心に考え、ロゴマークの円(O)を金の箔押しにすることで上品さを失わないよう、大きさや配置に気を配りました。社寺設計建築に携わる会社なので、日本的な趣や落ち着いた雰囲気を出したく、氏名や住所などの情報は縦書きにしました。紙は、そういったデザインがしっかり映えること、紙自体が主張しすぎず目指すイメージが表現できるかどうかを考えながら選びました」

「仕事などで初めて顔を合わせる際に渡すものが名刺ですが、名刺とは、名前や住所などの情報を載せるだけでなく、その人が所属する会社やその人自身の考え、方針を表現するツールだと思います。選ぶ紙ひとつ取っても、そこにはさまざまな思考があるはずで(お金をかける、かけないなども含め)、私が色々な会社の名刺をデザインする際も、クライアントの思いを汲み取れるような提案をしたいと思っています。50年後、100年後にも古びないデザインを意識しています。」

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン


取材をさせていただいて
『残っている木材がどれぐらい使えるか?』をまずはじめに考えるという社寺修復の仕事。モノづくりにおいて、”古ければ古いほど良い”という視点は、他にあまり見つからないように思います。これまでなかなか身近に感じることの出来なかった社寺建築の世界ですが、社寺という場所も宮大工という特殊な職業も、『いかに開かれたものにできるか』……を考え抜く菅原さんの言葉によって一気に引き込まれていきました。新型コロナウイルスの影響を受けて開催見合わせ中という『僧侶Cafeとかち』や『杜小屋』も、再開されるのが楽しみです。(企画広報部)



制作例紹介

【企業事例】 『おかげさま』が作る、開かれた社寺建築と次世代へのバトン


輝く朝日や夕日に見立てて形にしたロゴマーク
 
封筒
[商品] 長3封筒 コットンオペーク ホワイト 116.3g
[サイズ] 120×235mm
[表面] オフセット印刷1色 印刷色:DIC-547(特色)
[裏面] オフセット印刷2色 印刷色:ブラック(基本色)・DIC-547(特色)

名刺
[商品] ネームカード コットン スノーホワイト 348.8g
[サイズ] 55×91mm
[表面] オフセット印刷1色 印刷色:DIC-536(特色)
[裏面] オフセット印刷1色 印刷色:ブラック(基本色)
箔押し加工 1箇所 箔色:ゴールド ※範囲:~50㎠

デザイン:佐藤史恵(SA+O)様 作品提供者(業種):株式会社おかげさま様(社寺設計建築)


制作例(デザインギャラリー)
今回ご紹介した封筒・カードの詳細はこちら

 

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株式会社 羽車は封筒・紙製品・印刷物の製造販売を行っています。1918年に大阪で創業しました。

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大阪府堺市の本社工場では封筒生産機と印刷機を中心に70台を超える機械が稼働しています。
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