紙と印刷の品質トラブルについて
特殊な紙に多様な印刷加工を施すため、私たちの商品は、一般的な印刷サービスに比べてデザインの再現性や仕上がりを均一に安定させることが難しく、良品としてお届けした商品であってもお客様より品質不良では?とご連絡をいただくことが少なくありません。
ご注文の前に該当する箇所をご一読いただきご理解くださいますようお願いいたします。
- 仕上がりの色
- お客様指定の色と仕上がりの色に差がある(オフセット印刷・活版印刷)
- 同じデータでもモニターと仕上がり品では色味が異なる(オフセット印刷・デジタル印刷)
- リピート注文時、前回の色と今回の色に差がある(オフセット印刷・活版印刷・デジタル印刷)
- 広範囲のベタ印刷に色ムラやピンホールが発生(オフセット印刷・活版印刷・デジタル印刷)
-
紙に黒点がある
紙の原料には木材・非木材・古紙などがあり、それらの原料を洗浄・漂白・脱墨(古紙のインクや汚れ除去)など様々な工程を経て紙となります。
弊社では素材の良さや環境に優しい紙の提供を目指しており、無理な加工は行っていません。
そのため微小な異物の混入や、乾燥や湿気などによる多少のシワやカールも自然のものとして捉えています。ご理解いただければ幸いです。
同じ紙種類の場合でも強度や厚みが異なって感じる
紙種類・サイズ・数量・デザインにより商品の作製方法が異なるため、弊社では紙目の指定を承ることができません。
リピート品で同じ紙種類の場合でも、紙目の違いにより、強度や厚みが異なって感じることがございます。
製造工程の無駄をなくし材料のロスを少なくすることで、環境への負荷を低減する取組みとして行っています。ご理解のほどどうぞよろしくお願いいたします。お客様指定の色と仕上がりの色に差がある(オフセット印刷・活版印刷)
羽車で扱う紙の多くは非微塗工紙です。色指定に常用されるDICカラーガイド(アート紙)やPantoneカラーC(コート紙)のカラーチップのような紙の光沢感がないため、それに比べ少し色が沈みます。またインクは紙の色(下地)に影響を受けます。これにより本来の色調が再現できないことがございます。
→色校正をおすすめします。同じデータでもモニターと仕上がり品では色味が異なる(オフセット印刷・デジタル印刷)
同じデータであっても、お客様がお使いのモニター(RGB)やプリンタ出力機、また紙質によって仕上がる印刷物は色味が変わります。
羽車ではJapanColor2011を標準カラープロファイルと設定し印刷しております。
→色校正をおすすめします。リピート注文時、前回の色と今回の色に差がある(オフセット印刷・活版印刷・デジタル印刷)
基本色を印刷する場合、羽車では調合済みの単色インクを使用します。
リピート注文の場合、前回サンプルを保管していないので、弊社の刷色見本を基準として印刷します。その場合、許容値の範囲で色の濃淡がでる場合がございます。濃淡は水分の調整の際に発生するもので、同じご注文ロット内でも多少の濃淡差は発生します。
別の理由として、前回商品が時間が経つことで変色し新しい商品と色差が生じることもあります。デジタル印刷機も温度や湿度の影響を受けやすく多少の色ブレを起こすことがあります。
→前回見本をいただければそれに合わせて印刷いたします。
広範囲のベタ印刷に色ムラやピンホールが発生(オフセット印刷・活版印刷・デジタル印刷)
ベタ印刷・グラデーション・アミ点などのデザインで、印刷面積が広範囲に渡る場合は再現性が低く、仕上がりに色ムラやピンホール(白い斑点)が発生することがあります。ピンホールはごく小さな紙粉が印刷する版に付着することによって発生します。紙粉が出やすいかどうかは紙によって異なります。
→デザインデータを確認しますのでご注文前に一度ご相談ください。凹みが浅いものがある(活版印刷)
圧力をかけながら1枚ずつ印刷する活版印刷はすべて均一な凹みを再現することはできません。同じ注文ロット内でも線や文字が太くなることがあります。リピート注文においても圧(凹み)の再現性は多少異なります。これは強く版を押し当てることによる樹脂版の摩耗によることが主な原因です。凹みを浅くすれば仕上がりのバラつきは比較的安定します。
→デザインにもよりますので一度ご相談ください。封筒への印刷は凹みが浅い(活版印刷)
薄い紙・硬い紙素材は、活版印刷特有の凹みは表現されにくくなります。封筒(100g前後)であっても活版印刷をすることで風合いは表現できますが、明確に凹んでいるという表現はできません。名刺では200gより300gのほうが紙が厚く、活版印刷の凹みがより表現しやすくなります。
→凹みをご希望の方は厚い紙、やわらかい紙をお選びください。デザインにもよりますので一度ご相談ください。白抜き文字が浮き出ない・細くなる(活版印刷)
ベタ面に白抜き部分(印刷しない部分)で文字を表現する場合、文字部分が浮き出る(凸)ことはほとんどありません。また圧の強さによっては白抜き部分が細くなり、読みづらくなる場合があります。
→繊細なデザインで白抜き文字を表現する場合はオフセット印刷をおすすめします。活版印刷の場合は一度ご相談ください。凹みが表裏で違う(活版印刷)
両面に活版印刷をする場合、表面(正面)をきれいに印刷するために、先に裏面を印刷します。よって後から表面を印刷し凹ませることで、先に印刷した裏面の凹みが押し戻されることがあります。
→表裏の凹み差をなくすのであれば、裏面(片面)の印刷を活版印刷からオフセット印刷に変更することをおすすめします。デジタル印刷と他の加工との組み合わせに印刷ズレが発生する(デジタル印刷)
デジタル印刷とその他の加工(箔押しやエンボス加工)を組み合わせる場合、細かいデザインであると見当ズレ(印刷位置が合わず微妙にズレる)を起こしやすくなります。
→デザインにもよりますのでご注文前に一度ご相談ください。小さい文字が潰れる(箔押し加工)
箔押し加工は、細かい文字や線の再現性が高くありません。社名や住所などは書体やポイント数により文字潰れの原因となります。文字は8pt以上、線であれば0.2pt以上を推奨していますが、複雑な文字でなければ6ptでも加工は可能です。逆に抜き文字や抜き線は潰れる可能性が高くなります。また箔色により材質が異なるため仕上がりも異なります。紙によって箔の定着が良くないものもあります。
→小さい文字はオフセット印刷をおすすめします。箔押し加工をご希望の場合は、加工テストをお試しください。蛍光箔のベタ面や細かい文字に剥がれが生じる(箔押し加工)
蛍光箔(蛍光グリーン・蛍光イエロー・蛍光ピンク)は他の箔色に比べて定着が弱いため、ベタ面や細かい文字やデザイン部分に箔の剥がれが生じる場合があります。
封筒の貼り合わせ(のりしろ)部分の印刷に濃淡が発生(既製品封筒への印刷)
既製品の封筒に印刷する場合は、紙が重なっているところが厚くなっているため、印刷する版から紙に転写するインクの量や圧に差が出てしまい安定した仕上がりになりません。紙の段差がある部分は線の影がついたり濃淡が発生します。
→貼り合わせ部分にきれいに印刷するのであれば既製品封筒への印刷ではなくいちから作成するオリジナルオーダー(別注品)をおすすめします。印刷や加工の跡が封筒・カードの裏面に残る(既製品封筒・カードへの印刷)
活版印刷・箔押し加工・エンボス加工は、圧をかけるため、封筒は紙が重なっている部分(裏面やフタを開けた箇所)、カードは反対面に加工の跡が残ります。色はつきませんが空押しのようになります。紙が盛り上がったり、テカリがでる場合もあります。跡を残さないように圧を弱くすると本来の印刷加工がきれいに仕上がりません。
→封筒の場合、紙が重なっている部分へもきれいに印刷するのであれば既製品封筒への印刷ではなく、いちから作成するオリジナルオーダー(別注品)をおすすめします。封筒のフタ全面印刷は裏面が汚れる(既製品封筒への印刷)
封筒フタ部分全面にベタ塗りのデザインがある場合、必ずフタの裏面がインクで汚れます。封緘部分のため使用上の問題はないと判断していますが納品された状態では裏面の汚れは目立ちます。
→きれいに印刷するのであれば既製品封筒への印刷ではなくオリジナルオーダー(別注品)をおすすめします。封筒の表裏のデザインは印刷の位置ズレが発生する(既製品封筒への印刷)
封筒の表面から裏面につながるようなデザインは、表裏別々に印刷をしますので必ずズレが生じます。きれいにつなげるデザインをご希望の場合は既製品封筒への印刷加工はお避けください。
→きれいに印刷するのであれば既製品封筒への印刷ではなくオリジナルオーダー(別注品)をおすすめします。多色印刷や印刷方式の組み合わせでは位置ズレが発生する
印刷機を2回通す場合や、オフセット印刷と活版印刷など、違う印刷方式を組み合わせる場合は印刷位置に多少のズレが生じます。
→位置合わせが必要なデザイン部分は同じ印刷方式をおすすめします。
加工に断裁がある場合も同じく、多少のズレが発生することもございます。(0.5〜1mm程度)タイトルタイトルタイトルタイトル
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○